皆さんは、毎日よく眠れていますか?「睡眠不足は肌に悪い」と言うように、十分に睡眠を取ることは美しい肌をつくるために欠かせません。また、美しい肌だけでなく、実は睡眠はダイエットにも非常に重要なものなのです。今回は、睡眠不足が肌とダイエットに悪影響を与えてしまう理由についてご紹介します。

寝つきが悪くて悩んでいる方や、よく眠れないといった悩みを抱えている方におすすめの対策方法についてもご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

美しい肌を作るなら十分な睡眠を!

みなさんはきれいな肌を手に入れるために、どんなことをされていますか?毎日シートマスクをつけたり、日焼け止めをこまめに塗りなおしたり、高級なスキンケア商品をためしてみたり、あるいは食生活を見直してみたりなど、様々な方法があるかと思います。

どれもきれいな肌をつくるために効果のある方法ですが、しっかり寝るだけできれいな肌が手に入るとしたら、こんなに簡単な方法はありませんよね。ここでは、十分な睡眠を取るとなぜ肌にいいのか、そして肌にいい睡眠をとるために知っておきたいことについてご紹介します。

美肌に欠かせない睡眠ホルモン

睡眠中に分泌されるホルモンのうち、美肌に大切なホルモンが2つあります。それは、メラトニンと成長ホルモンです。

メラトニン

メラトニンは、脳の中心の奥深いところにある松果体(しょうかたい)という脳器官から分泌され、体内時計にはたらきかけることで、覚醒と睡眠を切り替え、眠りを誘う作用があります。朝、きちんと日の光を浴びることで、体内時計が体を活動状態にして、メラトニンの分泌を止めるよう信号を出します。その後、14~16時間ほどで、再びメラトニンの分泌が促され、体は休息モードに入っていき、自然な眠気を感じるようになります。

このメラトニンが、きれいな肌をつくるために大切な役割をはたしています。メラトニンは、生物に有害な活性酸素から体を守る「抗酸化作用」をもっていて、細胞の代謝を促してくれるのです。このメラトニンの抗酸化作用効果は、抗酸化作用でよく知られているビタミンCやビタミンE以上の効果と言われるほどです。皆さんは、「傷やニキビが寝て起きたら治っていた」という経験をしたことはありませんか? これはメラトニンが細胞の代謝を促してくれたために起こるのです。

また、メラトニンはストレスによる免疫力の低下を抑える効果もあるため、ストレスからくる吹き出物や、口角炎などの肌荒れを改善することがわかっています。しかし、メラトニンは歳を重ねるとともに分泌量が減少します。そのため、高齢者になると、夜中に何度も目が覚めたり、朝早く起きてしまったりと免疫力も低下してしまうのです。

成長ホルモン

人は眠っている時、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2種類の状態を繰り返します。レム睡眠とは、体が眠っていながらも脳が活発にはたらく浅い眠りの状態で、ノンレム睡眠とは、大脳の活動がほとんど停止している深い眠りの状態のことを言います。夜、ベッドに入って眠りに落ちると、まず深い眠りであるノンレム睡眠の状態になります。

このノンレム睡眠の状態の時、脳下垂体前葉(のうかすいたいぜんよう)の「GH分泌細胞」とよばれる細胞から、成長ホルモンと呼ばれるホルモンが分泌されます。特に、眠りに落ちてから30分で最も分泌され、その後3~4時間分泌され続けます。この成長ホルモンは子供の身長を伸ばしたりするはたらきがある大切なホルモンですが、大人にとっては紫外線を浴びた肌を修復したりしてくれるなど、代謝をコントロールするという大切なはたらきがあります。

私たちの肌は、実は一定のサイクルで生まれ変わっています。肌の内部で細胞が新しい肌を生成し、約4週間かけて表面に出てきます。そして、その2週間後には古くなり、垢として排出されます。このサイクルのことをターンオーバーと呼びます。ターンオーバーがうまくいかないと、ニキビや肌荒れを引き起こしてしまいます。

成長ホルモンにはこのターンオーバーを促進するはたらきがあります。きちんとした周期で新しい肌を生成し、古い肌を排出していくことで、今よりきれいな肌を作っていけるのです。また、新しい肌を作っていけるということは、アンチエイジングやシミ・シワの予防にもなります。アンチエイジング用の商品はこの世にたくさん存在しますが、それらを試してみる前に、まずは十分な睡眠で成長ホルモンを引き出し、肌のターンオーバーを促進させてみるといいかもしれません。

寝ないとダイエットが無駄になる

睡眠の効果は肌だけでなく、ダイエットにも影響を及ぼします。先ほど、睡眠時に分泌される成長ホルモンが肌のターンオーバーを促進することについてご説明しましたが、この成長ホルモンは代謝を促進したり、脂肪の分解を促進したりするはたらきも持っているのです。
寝不足が肥満につながるもう1つの理由は、夜遅くまで起きていると、「レプチン」と「グレリン」と呼ばれるホルモンの分泌バランスが崩れてしまうためです。レプチンは食欲を抑えてくれるホルモンで、脂肪細胞から分泌されます。反対にグレリンは、食欲を増進するはたらきをもつ、胃で作られるホルモンです。

寝不足になってホルモンバランスが乱れると、食欲を高めるグレリンの分泌量を増え、食欲を抑えるレプチンの分泌量が減ってしまうということが分かっています。睡眠時間が5時間の人は8時間睡眠の人に比べて、グレリンの分泌量が15%多く、レプチンの分泌量が16%少ないというデータがあります。つまり、寝不足であるほど空腹を感じやすいということです。

また、グレリンの分泌量が増えると、高カロリーな食事を選択しやすくなる傾向があることがわかっています。睡眠不足が続いて体が疲れてくると、こってりしたラーメンや甘いケーキなどが食べたくなりますが、これはグレリンの分泌量が増えているためなのです。このように睡眠不足は肥満のリスクを高めてしまうため、ダイエット中は特に、十分な睡眠をとるように心がけることが大切なのです。

寝つきが悪く、よく眠れない時の改善方法

これまで、睡眠が美肌とダイエットに大きな影響を与えることをご紹介しました。しかし、日本では約5人に1人が睡眠障害を患っているというデータがあるくらい睡眠に問題を抱えている人がたくさんいます。本記事を読んでいる方の中にも、よく眠れずに困っている方がいるかもしれません。そこで、ここでは寝つきが悪くよく眠れない時の改善方法についてご紹介します。

睡眠を促す2つの物質

睡眠を促すためには、先ほどご紹介した眠気を引き起こすメラトニンの他に、別名「しあわせホルモン」と呼ばれる脳内神経伝達物質セロトニンが必要です。セロトニンには気持ちをリラックスさせたり、自律神経のバランスを整えるはたらきがあります。温泉につかってリラックスするとき、脳内ではこのセロトニンの分泌が増えているのです。

余談ですが、セロトニンはうつ病との関連も報告されています。セロトニンの分泌が少ないとうつ病の原因となってしまうのです。うつ病に苦しむ方の中に睡眠障害も一緒に患う方が多いのですが、これはどちらもセロトニンの減少が関係していると考えられています。

トリプトファンを摂りましょう

このメラトニンとセロトニンを産生するために有効な手段は、トリプトファンと呼ばれるアミノ酸の1種を食事で摂ることです。食べ物から摂取したトリプトファンは、昼間は脳内でセロトニンとなり、夜になるとメラトニンに変化し睡眠を促すはたらきをします。トリプトファンは体内ではつくることができない物質なので、睡眠に悩んでいる方は意識的にトリプトファンを摂取してみてください。

トリプトファンを多く含む食材でおすすめなのは、納豆、味噌、豆腐などの大豆製品、ヨーグルトやチーズなどの乳製品です。また、卵やバナナもおすすめです。これらとともに、メラトニン合成をサポートする栄養素である鉄や葉酸などをバランスよく取り入れるとよりいっそう効果的です。

夜のスマホやテレビには注意

もう1つセロトニン形成に大事なことは、眼に入る光の量です。昼間、光が眼に入ることでセロトニンが作られ、夜に光が弱くなることでメラトニンに変化します。そのため、昼間は外にでて、日光を浴びながら散歩をしたり、運動をしたりしてセロトニンを作っておき、夜はきちんと電気を消してベッドに入ることでメラトニンを産生しましょう。夜中にいつまでもスマホやテレビなどで眼に光が入っている状態が続くと、体内時計のはたらきが乱れて、メラトニンの分泌が抑えられてしまうので、気をつけてくださいね。

睡眠を大切にしましょう

本記事では、睡眠が美肌やダイエットにもたらす影響と、夜しっかり眠るためにおすすめの方法についてご紹介しました。毎日の眠りがとても大切なものであるということをご理解いただけたのではないかと思います。

コロナ禍で外出自粛を求められていたり、在宅勤務が続く中で、なかなか規則的な生活を送ることが難しいという方も多いかもしれません。ですが、十分に眠ることで美容やダイエットにこんなにも効果があるのですから、ぜひとも意識して睡眠をとってみてくださいね。よく眠れないという方も、本記事を参考によい睡眠習慣を得られることを願っています。